子どもの暴力の原因は統合失調症かも?症状や対処法を解説します
子どもからの暴力や暴言などが習慣化している場合、子どもが統合失調症を発症している可能性があります。
統合失調症によって暴力や暴言などが行われている場合、家庭内での解決は困難であり、専門家を交えて、統合失調症の治療に取り組むことが必要です。
本記事では、統合失調症の概要や具体的な症状を解説するとともに、統合失調症の患者様から暴力を奮われたときの適切な対処法について解説します。
家庭内暴力でお困りの方は、統合失調症である可能性があるため、ぜひ最後までご覧の上、専門家に相談してください。
お問い合わせやご相談は無料で承っております。下記からお気軽にお電話ください。
統合失調症とは
統合失調症とは、考えや心がまとまらなくなる状態が続く精神疾患のことです。主に脳の機能に障害がある場合に発症します。
統合失調症を引き起こす、脳の異常発生の原因は明確に分かっていないものの、遺伝要因と環境要因が重なることで発症するとされています。
つまり、遺伝的に脳の異常が発生しやすい上に、かつ過度なストレスがかかる環境に身を置くことなどによって発症すると考えられているのです。
統合失調症は、意欲の低下などの精神的な症状や、幻覚・幻聴などの身体的な症状が起きるため、適切な治療を行うことが求められます。
統合失調症は、100人に1人の割合で発症する、決して珍しくない疾患の1つです。さらに、脳のリハビリテーション等を行うことで改善が期待できます。
そのため、統合失調症の疑いが見られたとしても、医師に相談の上、適切な治療を行うことが非常に大切です。
統合失調症の症状
統合失調症で見られる症状は、大きく下記の3種に分けられます。
- 陽性症状
- 陰性症状
- 病識障害
それぞれ順番に解説します。
陽性症状
陽性症状とは、統合失調症で認められる数ある症状の中でも、幻覚や幻聴、それに伴う妄想といった非常に目立った症状のことです。
特に、統合失調症では幻聴が起こることが多く、主に自分を責め立てる声や命令される声などが聞こえてくるとされています。
また、幻覚が引き起こされた場合は、常に誰かに監視されているような感覚に陥るため、日常生活におけるストレスが非常に大きなものとなります。
幻聴や幻覚によって独り言が増えたり、健常者では見られないような行動を起こしたりすることも多く、現実世界での人間関係の構築などに被害を与えることも多いです。
陽性症状として、幻覚・幻聴の次に当てはまるのは妄想です。幻覚や幻聴と同時に引き起こされることも多く、妄想を発症してしまうと、周囲の発言が信じられなくなってしまいます。
これらの症状の他にも、自分と他人の境界が曖昧になってしまい、混乱してしまう自我障害なども陽性症状の1つです。
陽性症状が見られた場合、周囲の人がどれだけ本人に声をかけたとしても、周りの人が考えている意図で話が通じなかったり、信じてくれなかったりするため、専門家の意見を聴きながら適切な対応を取ることが大切です。
陰性症状
陰性症状とは、陽性症状のような目立った症状ではないものの、本来あるべき脳やこころの働きが失われる症状のことです。
陰性症状として代表的な症状は下記の通りです。
- 意欲減退:ものごとに対する意欲が低くなる
- 連合弛緩:考えのまとまりが悪くなる
- 思考低下:思考力が下がる
- コミュニケーションスキルの低下:思考低下などによって、コミュニケーション能力が下がる
- 感情鈍麻:喜怒哀楽が小さくなり、感情を表に出さなくなる
これらの症状が複数発症することもあり、悪化を続けると他人とのコミュニケーションそのものがストレスとなってしまい、引きこもりになってしまう可能性もあります。
引きこもりになることで、より他人とのコミュニケーションの機会が無くなり、上述の症状が悪化する、負のスパイラルに陥ってしまうことが非常に多いです。
陰性症状は、薬物療法などによって改善を図ることができるものの、効果が限定的であることが非常に多く、日常生活の中で改善していく努力が求められます。
病識障害
病識障害とは、自分が病気であることを自ら認識できない症状のことです。
上述した幻聴や幻覚が起こったとしても、病識障害によって聞こえていることや見ていることが現実のものと感じてしまいます。
病識障害が激しい場合は、継続的な薬の服用や通院、リハビリテーションなどの実行が困難になるため、入院を視野に入れた治療を行う必要があります。
なぜ統合失調症が暴力に発展するのか
統合失調症が暴力に発展する大きな要因は、幻聴や幻覚、妄想などの陽性症状です。
特に、被害妄想や幻聴によって自分を責める声が聞こえることによって、自己防衛の一貫として周りの人に暴力を奮ったり、暴言を吐いたりしてしまうのです。
幻聴については、自分を責める声だけではなく、暴力を促すような声が聞こえている場合も多くあります。
いずれにせよ、統合失調症が暴力に発展する要因は、妄想や幻聴などによる恐怖心やパニックによるものです。
統合失調症による暴力が起きる前には、何もないのに興奮状態になっていたり、全身が強張っていたりといった前兆が見られることもあります。
これらの前兆が見られた場合は、迂闊に近寄らず、まずは自身の身の安全を確保することに集中しましょう。
統合失調症で暴力を奮われたときの対処法
統合失調症の患者様に、暴力を奮われたときの対処法は、下記の通りです。
- 疾患者から逃げる
- 反論や挑発をしない
- 落ち着くまで放置する
- 専門医に相談する
それぞれ順番に解説します。
疾患者から逃げる
統合失調症の患者様が暴れたり、実際に暴力を振るわれた場合は、説得などを試みずに逃げることが大切です。
なぜなら、暴力を振るった当の本人はパニック状態であるため、人の話を聞いたり、ものの分別を行ったりできない状態にあるからです。
襲い掛かられた場合は、必ず顔や急所を守りつつ、疾患者から距離を保ちましょう。
ご家族で統合失調症の方がいて、暴力を奮われる可能性がある場合は、精神疾患を持つ方の被害から逃れるための、「危機離脱技法」を精神科の医師や看護師に確認しておくことを推奨します。
反論や挑発をしない
怒りをコントロールできていない場合は、決して反論や挑発をせずに話を聞いてあげましょう。もちろん、話を聞く場合も、暴力を振るわれないように距離を保ち、自らの身の安全を確保することが大切です。
感情のコントロールができない患者様に対して、反論や説得を行ったとしても、火に油を注ぐ結果になる可能性が非常に高いです。
統合失調症の疾患者の暴力と向き合うためには、統合失調症の疾患者が暴力を振るうメカニズムを十分に理解した上で、話を聞いてあげることを心がけましょう。
落ち着くまで放置する
一度暴れてしまった統合失調症の患者を、周りの力で鎮めることは非常に困難です。
そのため、暴れたり暴力を振るったりする患者様は、落ち着くまで放置することが大切です。
患者様が落ち着くまで放置することも、有効な対処法であり、状況を見ながら安全であることを確認した上で接近しましょう。
なお、長時間経っても落ち着かない場合や、距離を取ろうとしても襲ってくる場合には、警察を呼んで対応してもらいましょう。
専門医に相談する
一度でも統合失調症による家庭内暴力があった場合には、専門医に相談しましょう。
専門医に相談することで、適切な薬物療法などを行ってもらえる上に、再度暴力を受けた場合の適切な対処法を把握できます。
また、場合によっては入院や一時的な施設への入居なども視野に入れて、ご家族の安全と患者様の回復の両立を図った治療を検討することも可能です。
なお、銀座の心療内科の梅本ホームクリニックでは、在宅医療も視野に入れた統合失調症の診察をいたします。
患者様のストレスを最小限に抑えながら、ご家族の見守りも行いやすい状態での統合失調症の治療およびリハビリテーションが可能です。
ご家族の統合失調症にお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
お問い合わせやご相談は無料で承っております。下記からお気軽にお電話ください。
統合失調症の治療方法
統合失調症の治療方法は、大きく下記の2つに分けられます。
- 薬物療法
- 心理療法
それぞれ順番に解説します。
薬物療法
統合失調症の最も代表的な治療法は、薬物療法です。
興奮作用のある脳内物質である、ドーパミンの分泌を抑制する「抗精神薬」を用いることで、統合失調症の陽性反応やそれに伴う興奮状態や暴力を抑えます。
抗精神薬には非常に多くの種類があり、患者様によって、合う薬と合わない薬があります。そのため、新たな抗精神薬が処方されたら、効果や副作用の出方を観察し、医師に共有することが大切です。
なお、統合失調症の場合は症状の改善が見られても、継続的に抗精神薬の服用を行う必要があります。
医師の許可なく、薬の服用を停止した場合、統合失調症の各症状の再発や悪化の引き金となってしまうため、医師の指示のもとで継続的に薬を服用しましょう。
心理療法
統合失調症を発症している患者様は、陽性症状だけではなく、陰性症状に対するケアを行うことが重要です。
心理療法では、陰性症状による社会での生活のしづらさを改善し、社会復帰を行うことを目指して行われます。
具体的な心理療法の内容として、代表的な治療法は下記の通りです。
- 支持的精神療法:統合失調症の患者様が抱える苦悩を医師などに共有し、理解をしてもらうことで安心感をもたらす
- 認知行動療法:統合失調症によってもたらされた認知の歪みの修正を行い、陽性症状の緩和を図る
- 集団精神療法:同じ境遇の患者様同士で、それぞれの苦悩を共感することで安心感を得ると同時に、統合失調症によって失われていた社会性を取り戻すための訓練を行う
上記の他にも、患者様の状態に合わせて適切な環境でリハビリを行い、社会復帰を目指します。
医師の指示に従い、適切な心理療法を行うことが大切です。
統合失調症による家庭内暴力が起きている場合は専門医を受診しましょう
本記事では、統合失調症の概要や症状を解説するとともに、統合失調症が暴力に発展する理由や暴力の対処法、統合失調症の治療法について解説しました。
統合失調症は、周りのご家族などだけでケアすることは困難な精神疾患であり、暴力まで発展した場合は、自身の身の危険にも繋がります。
そのため、家庭内暴力が見られた場合は、すぐに精神科に相談することが大切です。
銀座の心療内科梅本ホームクリニックでは、統合失調症の診察を行っております。
自宅で診察や治療を受けられる在宅医療にも対応しており、患者様の状況を細やかに把握することが可能です。
24時間対応しておりますので、統合失調症の疑いのある家庭内暴力にお悩みの方は、すぐにご相談ください。
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