統合失調症

統合失調症の末期症状とは?症状や治療に用いる薬などを解説

統合失調症の末期症状とは?症状や治療に用いる薬などを解説

統合失調症の末期症状とは、幻覚や幻聴、妄想など、急性期にあらわれる症状のことで、それによって不安障害を併発することも珍しくありません。

このような症状が出ている場合、薬がなければ症状が収まらないので、できる限り早いタイミングで病院を受診することが大切です。

本記事では、統合失調症の末期症状や回復の経過、統合失調症の末期症状の治療についても解説しています。

大前提として、統合失調症を治すためには、早期発見・早期治療が大切です。

統合失調症の兆候として現れやすい、会話の特徴は下記の記事で紹介しているため、周りに統合失調症の疑いがある場合は、下記の記事も参考にしてください。

統合失調症の患者の会話例【実例も交えて解説】

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統合失調症の末期症状とは

統合失調症の末期症状とは、幻覚や幻聴、激しい妄想を引き起こしている状態のことです。

もしくは、意欲を失い、何も出来ない状態になってしまうなど、魂の抜けたような状態になることもあります。

統合失調症の末期症状である妄想は、不安や焦燥感からくる被害妄想であることが多く、それによって不安障害を併発することもあります。

その妄想によって過度なストレスを感じてしまい、結果としてさらに統合失調症が重症化するという、負のスパイラルに入ってしまうケースも多いです。

幻覚や幻聴、妄想といった症状が出ている場合、薬がなければ症状が収まらないので、なるべくはやく病院を受診することが大切です。

統合失調症の経過

統合失調症の回復には決まった経過が見られ、下記の3段階をたどります。

  • 急性期
  • 消耗期
  • 回復期

それぞれ特徴的な症状が見られるので、順番に解説します。

急性期

統合失調症の末期症状と呼ばれるのは、この急性期のことで、代表的な症状は以下の通りです。

  • 幻覚
  • 幻聴
  • 妄想
  • 思考障害
  • 自他障害

幻覚や幻聴、妄想は、「自分の悪口を言われている」「誰かに見張られている」など、被害妄想であることが多いです。

このことにより、妄想と現実の区別がつかず、統合失調症の病識がないことが多いので、患者様自身で病院にかかることは困難です。

そのため、統合失調症に対応した訪問診療か、まずはご家族や周りの方が精神科に相談することからはじめましょう。

統合失調症の兆候は、まとまりのない会話をしたり、話題が次々に飛んだりするなど、特に会話時に影響が出ます。

下記の記事では、統合失調症の会話の特徴について詳しく解説していますので、併せてご覧ください。

統合失調症の患者の会話例【実例も交えて解説】

消耗期

消耗期とは、急性期に見られる幻覚や幻聴、妄想などの症状は収まりつつあるものの、脳が過度な疲労を自覚し始めるため、活動量が極端に下がる時期のことです。

これは、急性期に心と身体のエネルギーをたくさん使ったことが原因と考えられます。

元気がなくなり感情が乏しくなるなど、意欲の低下がみられ、そのままうつ病に発展してしまうこともあります。

周囲からみると、何もせずに寝てばかりいるように見えてしまいますが、ここで大切なのは休息をとることです。

しっかりと心身ともに休みながら、慎重に治療を行っていきましょう。

回復期

回復期とは、治療により症状が収まり、段々と心に安定が戻り始める時期のことです。

ただし、油断は禁物です。症状が良くなったからといって、今まで服用していた薬を勝手に中断するなどすると、また急性期の症状が引き起こされる恐れもあります。

また、社会復帰を開始することで症状が改めて症状がぶり返すケースも見られます。

再発を繰り返すと症状が強くなり、治りにくくなることもあるので、医師の指示に従い、慎重に経過を見ながら社会復帰を目指しましょう。

統合失調症の末期症状の治療

統合失調症の末期症状に対する治療は、基本的には薬物療法によって行われ、下記の薬が使用されます。

  • 抗不安薬
  • 抗うつ薬
  • 睡眠薬
  • 抗パーキンソン病薬

それぞれ順番に解説していきます。

抗不安薬を使う

抗不安薬とは、不安やイライラを和らげる薬のことであり、服用することで下記の効果が期待できると考えられています。

  • 不安を和らげる(抗不安作用)
  • 筋肉の緊張をほぐす(筋弛緩作用)
  • 気持ちを落ち着かせる(鎮静作用)
  • 眠くさせる(催眠作用)
  • 筋肉の痙攣を和らげる(抗痙攣作用)

様々な作用によって、幻覚や幻聴を減らし、妄想による思い込みを軽くするなどが期待できます。

統合失調症の末期症状の治療で抗不安薬を服用する狙いは、過度な被害妄想などを取り除くことです。

また、抗不安薬には再発予防効果も期待できます。

統合失調症は再発しやすい病気なので、症状が良くなったと思っても、自己判断で服薬を中止せずに継続して服用することが大事です。

統合失調症の末期症状の治療では、服薬は長期にわたることを理解して、医師の指示に従い、治療を受けるようにしましょう。

抗うつ薬を使う

抗うつ薬とは、神経伝達系に働きかける薬であり、憂鬱な気分を和らげ、意欲を高めることが期待できる薬のことです。

急性期のような興奮状態に対してではなく、消耗期に見られる鎮静状態が深刻な際に、抗うつ薬を使用します。

統合失調症によって、意欲が極端に低下したり、表情がなくなったりする症状が見られ、これらの症状の改善のために、抑うつ薬は使用されます。

過度な意欲の低下や抑うつ症状が悪化すると、日常生活に支障をきたし、引きこもりに発展することもあり、決して無視できない症状の一つです。

病的な気持ちの落ち込みは、バランスを崩してしまった脳内環境が原因であると考えられており、その脳内環境を整えるために、薬の服用が必要であると考えておきましょう。

睡眠薬

幻覚や幻聴、妄想、興奮状態が続く場合、十分な睡眠がとれていないなど、睡眠障害になっていることもあります。

また、眠れないだけでなく、眠りの途中で何度も目覚めたり、どれだけ寝ても眠気がとれなかったりすることも睡眠障害の症状の1つです。

睡眠障害は、心身ともに大きな負担を与えるため取り除く必要があり、改善するために睡眠薬を使用します。

睡眠薬の中には、依存性があるものや抑うつ症状を引き起こすリスクがあるものも多いですが、睡眠障害を放置すると、心身の健康状態が非常に悪くなってしまいます。

睡眠薬は容量を守って、医師と相談しながら服用すれば、過剰な副作用のリスクは大きく抑えられるため、安心して服用しましょう。

抗パーキンソン病薬

抗パーキンソン病薬は、手の震えや身体のこわばり、足のむずむず感などの症状を抑える薬です。

パーキンソン病は、脳内のドーパミンの分泌不足によって運動障害が起こると考えられており、脳内のドーパミンの分泌を促す効果が期待できます。

抗不安薬の副作用として引き起こされるリスクのある、手の震えや、足のむずむず感などを抑えるために、抗パーキンソン病薬を併用します。

ただし、抗パーキンソン病薬の副作用として、胃のむかつきなどの消化器症状や精神症状もあるため、医師の指示に沿って服用することが大切です。

なお、統合失調症では、今回紹介した薬の他にも様々な薬を使用して、総合的に治療を行っていきます。

統合失調症で服用する薬については、下記の記事で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。

統合失調症ではどのような薬を使用するのかを解説します

統合失調症は末期症状となる前に精神科を受診しましょう

本記事では、統合失調症の末期症状や治療の経過、統合失調症の末期治療で服用する薬についても紹介しました。

統合失調症は早期発見・早期治療することで早く回復する病気なので、末期症状(急性期)になる前に、治療することが大事です。

しかし、統合失調症は幻覚や幻想、被害妄想の症状により、妄想と現実の境がわからず、統合失調症の病識がないことがほとんどなので、病院を受診することが難しいです。

そのため、ご家族や周りの方が統合失調症の兆候に気付き、病院の受診をすすめることが重要だと考えられます。

早期発見・早期治療が患者様のスムーズな社会復帰には必要不可欠です。

梅本ホームクリニックでは、既に通院不可能な状態でも、統合失調症の患者様に対応した訪問診療を行っています。

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