統合失調症

統合失調症を治すためにやるべきこととは?治療法や注意点を解説

統合失調症を治すためにやるべきこととは?治療法や注意点を解説

100人に1人がかかるといわれている統合失調症。

以前はなかなか治りにくい病気だと考えられていましたが、日々進化する医療により、日常生活を送れるまでに回復する方が増えてきました。

統合失調症を治すにはどのような治療を行う必要があるのでしょうか。この記事では、統合失調症の経過や治療法、治療中に気をつけたいポイントについて解説します。

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統合失調症の経過

統合失調症は、症状の進行状況や経過によって4つの段階に分けられます。

統合失調症の直し方をしっかりと理解するためにも、各病期の症状や治療のポイントをチェックしてみましょう。

前兆期

前兆期は、統合失調症の症状が出始める病期です。気分障害やうつ病のような症状が出るため、まだ統合失調症が疑われることはほとんどありません。

気分の落ち込み以外にも、不眠や聴覚過敏、食欲不振などが症状として現れるケースがあります。風邪や胃の不調など、ほかの病気と同じような症状であるため、精神的な疾患であることが分かりにくい点が特徴的です。

前兆期は病気であることを認識しにくいため難しいかもしれませんが、過労や睡眠不足、ストレスなどに注意が必要です。心と体を十分に休め、早めに医療機関を受診することで高い治療効果が得られます。

急性期

急性期は、統合失調症の症状がわかりやすく出てくる病期です。統合失調症特有の、強い不安感や不眠、幻覚・妄想といった症状に悩まされ始めます。

幻覚や妄想が現れると、周囲の方だけではなくご本人も「何か変だ」と感じるようになっていきますが、自分が病気だという自覚はありません。

そのため、本人はいたって真面目にしている行動が、周囲から見るとおかしく感じることが増えます。

強い不安感や不眠、幻覚、妄想といった症状が出てきた患者様に対しては、しっかりと休息を取らせつつ、安心感を抱いてもらえるように周囲の方がサポートすることが大切です。

また、幻覚や妄想のサインが現れたら、すぐにでも医師の診察を受けるべきです。

これらの症状を放置すると症状が急激に悪化してしまい、日常生活すらままならなくなる恐れがあります。

なお、統合失調症を放置するリスクは以下の記事で解説しています。あわせてご覧ください。

統合失調症を放置するとどうなる?治療方法も併せて解説します

消耗期

消耗機は、休息期とも呼ばれる病期です。急性期の幻覚や妄想といった症状は治るものの、抑うつや過度な疲れが目立つようになります。これは、急性期に心身のエネルギーを消耗してしまったことが原因だと考えられています。

眠気や体の怠さ、意欲の低下により、引きこもりになってしまうことも少なくありません。病識がなかった方の場合は、ここで病識が現れることが多い傾向にあります。

消耗期は、服薬をしながら数か月単位の休息を取ることが大切です。焦らず、規則正しく生活することを目指すことが回復につながります。

回復期

回復期は、治療の効果が現れて回復し始める病期です。心も体も安定してきますが、病気や今後の生活に関する不安が生じやすいタイミングであるため注意が必要です。

回復期になると心にゆとりができて意欲も回復するため、リハビリテーションを行いながら少しずつ社会復帰を目指しましょう。

ただし、再発や悪化のリスクは隣合わせであるため、まだまだ油断は禁物です。医師の指示に従って段階的に社会復帰するとともに、服薬も続けることが重要です。

統合失調症の治療法

統合失調症を治療するときは、心理社会療法や薬物療法、環境調整などといった複数の治療法を組み合わせることが一般的です。

ここからは、統合失調症の具体的な治療法について紹介します。

心理社会療法(精神療法)

心理社会療法(精神療法)とは、心の悩みに働きかけて脳の不調からの回復を図る治療法です。具体的には、以下の2つの治療を行うことで脳の働きやモノの捉え方を変えていく治療法を指します。

  • 心理教育:患者様やご家族を対象に、病気や治療、物事への対処法を学ぶ治療
  • 作業療法:趣味活動や就労活動のなかで、好きなことやできることを増やす治療

症状を確認しながら、人とのコミュニケーションなど患者様が「できるようになりたい」と思うことを練習する生活技能訓練を行うこともあります。

薬物療法

薬物療法は、主に抗精神病薬や抗パーキンソン薬、抑うつ薬などを使用して症状の回復を目指す治療法です。

幻覚や妄想といった「陽性症状」の改善に効果的な薬と、気分や意欲の落ち込みといった「陰性症状」、集中力や注意力が低下する「認知機能障害」に効果的な薬を組み合わせて治療を進めます。

ただし、薬物療法には副作用もあるため、医師の指示を守って慎重に行うことが大切です。症状や体調で気になることがあったら、すぐに医師へ相談しましょう。

統合失調症の薬物治療については、こちらの記事で解説しています。安心して治療を受けるためにも、あわせて確認しておきましょう。

休養・環境調整

休養や療養のための環境を整えること(環境調整)も立派な治療のひとつです。患者様の状態に合わせた適切な生活リズムを医師に提案してもらい、実行することが統合失調症からの回復を促します。

急性期や消耗期は、ストレスの少ない環境でゆっくりと過ごすことが大切です。無理に活動することを促さず、十分な睡眠とバランスのいい食事で心と体の栄養補給をしましょう。

回復期に入ったら、少しずつ運動や趣味の活動を取り入れ、休養と活動をバランスよく行います。また規則正しく生活を送り、体の調子を整えましょう。

入院

通院などだけでは治療が困難なときは、入院して集中的に治療します。入院中は、規則正しい生活や医師・看護師とのコミュニケーションなど、生活全体が治療になります。

精神科への入院というと、「閉鎖病棟」「厳しい管理」など怖いイメージを持たれがちですが、そのようなことはありません。

病状にもよりますが、運動や趣味の活動をしたり医師に気持ちを伝えたりしながらゆっくり過ごすことで、心と体のバランスを取り戻していきます。

精神科に入院したときの生活については、以下の記事で解説しています。入院に対して不安を抱いている方は、ぜひ参考にしてください。

精神科に入院するとどんな感じの生活になる?治療法も併せて解説

統合失調症の治療時に気をつけるべきこと

最後に、統合失調症の治療時に気をつけたいポイントを紹介します。早期回復を目指すためにも、ここで紹介する2つの注意点に留意しておきましょう。

薬の服用を自身の判断で行わない

統合失調症を治療するときは、必ず医師の指示に従って薬を服用しましょう。症状が改善したと自己判断して薬の服用をやめてしまう方もいますが、急に薬を断つことは非常に危険です。

向精神薬には依存性が高いものが存在しており、急に服用をやめると自律神経の乱れや不安感、不眠、胃腸の不調などを引き起こす恐れがあります。また、薬をやめたあとに症状がぶり返すことも多々あります。

必ず医師の判断を仰いで、指示通りに服用することが大切です。

周りの人が統合失調症を十分に理解する

統合失調症の治療では、周囲の方の病気への理解が欠かせません。

幻覚や妄想による突拍子もない発言をしたり、いきなり抑うつ状態になったりするのを目の当たりにすると、混乱してしまうかもしれませんが、統合失調症の症状だと理解して接してあげることが大切です。

とはいえ、統合失調症の患者様との向き合い方は難しいものです。お一人で悩まず、患者様の現状や接し方は必ず医師に聞いておきましょう。

統合失調症の方の会話の特徴については、以下の記事で紹介しています。症状への理解を深めたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

統合失調症の患者の会話例【実例も交えて解説】

統合失調症を治すには精神科の受診が必要です

統合失調症を治すには、病期ごとの症状を理解し、心理社会療法や薬物療法などを組み合わせながら治療を進めていく必要があります。

患者様ご本人やご家族の判断によって治療を行ったり、投薬をやめたりすると、症状が悪化したり病気が再発したりする恐れがあるため注意しなければいけません。

もし、統合失調症の治療についてお悩みや疑問をお持ちであれば、ぜひ銀座の心療内科梅本ホームクリニックへお問い合わせください。

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