認知症

認知症が一気に進む原因とは?進行を抑える方法となりやすい人も解説

認知症が一気に進む原因とは?進行を抑える方法となりやすい人も解説

認知症は長期的に少しずつ進行するものもあれば、短期間で症状が急に悪化することがあります。

認知症が一気に進行してしまうと日常生活に支障をきたすほか、ご家族の心身の疲労も蓄積してしまい、深刻なストレスや健康問題を引き起こしかねません。

本記事では、認知症が一気に進む原因と、進行を遅らせる方法について詳しく解説します。

最近物忘れが気になる方や、ご家族の認知症の進行に不安を持つ方は、ぜひ本記事を参考にしてください。

認知症が一気に進む原因

認知症が一気に進む原因はさまざまなことが考えられますが、大きな要因として下記が考えられます。

  • 環境が変化した
  • 大きなストレスに晒された
  • 考えや行動を制限された

上記が思い当たる場合は、認知症が進んでしまう可能性があるため、受診を検討しましょう。

環境が変化した

認知症が一気に進む要因として、まずは考えられるのは「環境の変化」です。

すでに認知症に罹患されている方や、認知機能が弱っているご高齢者は、急激な環境の変化が起きると脳の機能が混乱してしまい、一気に悪化する原因になりかねません。

例えば、認知症が一気に進むきっかけとして、下記が挙げられます。

  • 家族や友人との死別
  • 介護施設や入所や引越し
  • 入院生活リズムの乱れ
  • 医療行為や投薬の変更など

「近くにいた人がいなくなった」「慣れた環境で生活できなくなった」など、本人をとりまく環境に大きな変化がある場合、不安や恐怖を感じることによって認知機能が悪化することがあるのです。

死別や入院など急激な変化を避けられないものもありますが、認知機能が弱っているご家族がいる場合は、ご本人の周りで大きな変化を感じないように、対応できる範囲で少しずつ慣らしていきましょう。

大きなストレスに晒された

大きなストレスに晒されることも、認知症の進行を早める一因になります。

認知症の進行を早めるストレスとは、下記のような例が挙げられます。

  • ミスを責められる
  • 一人暮らししている
  • 子ども扱いや過度な老人扱いをされる
  • 身体が思うように動かなくなる
  • 家族や友人とトラブルが起こるなど

前項で紹介した環境の変化とも共通しますが、ご高齢者や認知症患者の方は、大きなストレスを受けることによって大脳が萎縮してしまいます。

特に、認知機能や身体機能の低下によって、排泄のミスをしてしまったり、大切なものを紛失してしまい、周囲からミスを責められてしまうと脳が混乱して認知症が悪化するのです。

考えや行動を制限された

加齢や認知症などを理由に、周囲から考えや行動を制限されてしまうと、認知症の進行に悪影響を及ぼします。

認知症が進行してくると、身体機能の衰えもあり排泄に失敗してしまったり、大切なものを紛失してしまったりと、ご本人にとってもショッキングなことが起こります。

ご家族としては心配や不安から、ご本人に対して「もう一人でトイレに行かないで」「なくさないようにお財布は預かるよ」と本人の行動を制限してしまうケースも珍しくありません。

しかし、ご本人の考えや行動を否定・制限してしまうと、責められたと感じてストレスを感じたり、生活に刺激がなくなってしまい脳の機能が低下したりと、認知症の進行を加速させてしまう可能性があるのです。

認知症の進行を遅らせる方法

認知症を一気に進行させないための方法として、下記の予防法が効果的です。

  • コミュニケーションを取る
  • 運動する
  • 適切な食事と睡眠をとる

詳しいやり方を解説します。

コミュニケーションを取る

コミュニケーションを取ることは脳の刺激につながるため、認知症の進行を遅らせられます。

認知機能が低下したり、身体の衰えを感じたりすると、自宅に塞ぎ込み他者とのコミュニケーションから遠ざかってしまうご高齢者も少なくありません。

しかし、他者との社会的なつながりを絶ってしまうと、脳への刺激が減ってしまい、認知症の悪化を招きます。

コミュニケーションはご高齢者が社会的な関わりを持ち、話題を考えて言葉に出すことで脳の良い刺激を与える役割を持つのです。

運動する

運動をすることで身体機能の向上を促し、脳の血流を増加させることで認知症の進行を遅らせます。

特に散歩や階段昇降などの有酸素運動は、脳に送られる血流の量が多くなるため、より効果的です。

また、入院して寝たきりになってしまうと認知症の進行に悪影響を及ぼすことがあるため、転倒や骨折を防止する意味でも、適度な運動を取り入れるべきでしょう。

週に2〜3回、30分前後の有酸素運動が効果的だと言われています。ご本人の身体機能や体力に配慮しながら、無理のない範囲で身体を動かしましょう。

適切な食事と睡眠をとる

食事と生活リズムを改善することで、認知症の悪化を予防できます。

脳に必要な栄養素の一例として、下記が挙げられます。

  • DHA(ドコサヘキサエン酸)
  • EPA(エイコサペンタエン酸)
  • ポリフェノールベータカロチン葉酸など

上記を含む、青魚や野菜を取り入れたバランスの良い食事を心がけましょう。

一方で、アルコールや塩分を多く摂取してしまうと、認知症に悪影響を及ぼしかねないため、控える必要があります。

また、睡眠は7時間前後とることで、認知症の原因物質を抑えられます。

ご高齢になると睡眠の質が低下してしまい、続けて眠れないケースも多くあるため、夜中に起きてしまう場合は日中の運動で睡眠の質を向上させたり、昼寝をして睡眠を補ったりすると効果的です。

認知症になりやすい人の特徴

認知症になりやすい人の特徴として、下記が挙げられます。

  • 頑固や短気など、孤立しがち
  • 内向的
  • 運動不足
  • 過度な飲酒習慣
  • 生活習慣病

上記に当てはまる方は認知症になりやすい傾向があると言えます。

まだ上記に当てはまる人で、まだ認知症の症状が現れていない方や、最近認知症の症状が進んだという方は、前項でご紹介した予防法をお試しください。

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また、患者様ご本人に合わせた認知症予防について、ご家族様への指導も行っておりますので、認知症の症状が気になり始めたご高齢者がいるご家族様は、ぜひ梅本ホームクリニックへお問い合わせください。