統合失調症

統合失調症を自覚させる方法はある?接し方の注意点も解説します

統合失調症を自覚させる方法はある?接し方の注意点も解説します

統合失調症の主な症状は、幻覚や幻聴、妄想、意欲の低下、認知機能の低下などです。

統合失調症は、幻覚や幻聴に被害妄想が加わり、現実と妄想の境目がつかないことによって、患者が病気であることを自覚できないケースが多く見られます。

統合失調症の疑いがある患者様のご家族としては、自覚させた上で病院に連れて行きたいと考えている方もいるのではないでしょうか。

本記事では、統合失調症が自覚できない理由を、症状も交えて解説するとともに、統合失調症が無自覚な方に対する適切な接し方についても解説します。

統合失調症は早期の治療や、適切なご家族の対応が大切な精神疾患の1つです。

ぜひ本記事を参考に、統合失調症の患者様との接し方を考えてみてください。

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統合失調症の主な症状

統合失調症の主な症状は、下記の通りです。

  • 陽性症状
  • 陰性症状
  • 認知機能の低下

それぞれ順番に解説します。

陽性症状

陽性症状とは、本来あるはずのないものが現れる症状のことです。

代表的な陽性症状は下記のとおりです。

  • 幻覚
  • 幻聴
  • 妄想
  • 考えがとまらないなどの思考障害
  • 自他の境界が曖昧になる自我障害

幻覚や幻聴、妄想では、「自分の悪口や噂が聞こえる」「嫌がらせをされている」など、被害妄想が中心です。

これらが原因で、現実と妄想の見境を無くしてしまい、自身が病気であることを認知できなくなってしまうのです。

悪化すると、幻覚や幻聴が原因で急に激しく興奮し大声で叫ぶ、暴力、暴言など、暴れ出すこともあります。

これは、自分の思いが伝わらないことへの不満や焦燥感から来るもので、自傷行為に繋がったり、周りに危害を与えたりすることもあるので注意が必要です。

ただし、陽性症状は薬物療法によって改善される余地が高いため、いち早く精神科を受診して、適切な薬を処方してもらいましょう。

陰性症状

陰性症状とは、本来こころの中にあったはずのものが、無くなってしまう症状のことです。

代表的な陰性症状は、下記の通りです。

  • 感情の起伏がなくなる
  • 意欲の低下
  • 表情が乏しくなる
  • 集中力・持続力の低下
  • コミュニケーションができなくなる

陽性症状とは異なり、今まであった表情や感情、意欲などが喪失してしまう事が特徴で、感情の起伏が弱くなる上に、表情の変化も乏しくなります。

登校や出社、歯磨きといった日常生活でできていたことができなくなり、社会的な行動が取れなくなってしまうことも多いです。

また、それまで好きだったことにも関心が無くなることも多く、身だしなみに無頓着になることも特徴の1つです。

こういった統合失調症の陰性症状は、他の精神疾患の前兆としても見られる症状で、統合失調症以外の精神疾患を発症している可能性も考えられます。

精神疾患は、早期発見・早期治療を行うことによって改善しやすいため、重症には見られない状態であっても、なるべく早く精神科を受診することを推奨します。

認知機能の低下

認知機能とは、人間が物事を認識するのに必要な能力のことです。

代表的な認知機能の低下は、下記の通りです。

  • 記憶力の低下
  • 集中力の欠如
  • 理解力の低下
  • 計画、判断能力の低下

認知機能が低下すると、相手の話に集中しないといけない場面で、周りの物音や情報に気をとられて集中できないなど、会話時に特徴が見られるケースが多いです。

極端に問いかけから応答まで時間がかかる、次々に話題が飛ぶ、支離滅裂な言動をしてしまうなど、日常生活に支障をきたします。

統合失調症の方の会話には特徴があり、その特徴を知ることで、統合失調症かもしれないと早いタイミングで気づくことが可能です。

統合失調症の方の会話の特徴についての詳しい内容は、下記の記事で解説しています。

ご家族の会話に違和感を感じる場合は、ぜひ参考にしてください。

統合失調症の患者の会話例【実例も交えて解説】

統合失調症はなぜ自覚しにくいのか

統合失調症が自覚しにくいのは、幻覚や幻聴に加え、ひどい妄想(特に被害妄想)が加わることで、妄想と現実の境目が分からなくなってしまうことが大きな原因です。

それに加え、認知機能が低下することによって、人から言われたことを理解できない傾向もあります。

周囲から自分の悪口を言われているのではないかなど、被害妄想を繰り返すことで孤立してしまうことも少なくありません。

そのため、そもそも周りに根気よく説得してくれるような人がいないなど、環境的な要因であるケースも多いです。

また、統合失調症の病識がないことで、周りの人が精神科に連れて行くことを諦めてしまうケースもあります。

しかし、統合失調症を放置すると、暴言や暴力など、周りに危害が及ぶ可能性もあるため、早い段階で治療することが大切です。

統合失調症を放置することによる影響は、下記の記事で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。

統合失調症を放置するとどうなる?治療方法も併せて解説します

自身が統合失調症であると自覚させる方法

病識がない患者様を、統合失調症であると自覚させることが困難であることはも間違いありません。

家族や友人など患者様にとって大切な人たちが、根気よく優しく説得することが大切です。

まだ症状が重たくない場合、一緒に精神疾患についての医学的な理解をしつつ説明してあえることで、統合失調症にも触れることで自覚することもあります。

日常生活を送るのが苦しそうな現状を伝え、統合失調症は早く治療すれば早く回復することを優しく伝えるようにしましょう。

統合失調症を自覚していない方に治療を受けてもらうために

統合失調症の疑いがある場合、医療機関での治療が必要ですが、統合失調症の自覚がないと、患者様自身がすすんで治療を受けることは難しいです。

統合失調症を自覚していない方に治療を受けてもらうには、下記の3つのポイントがあります。

  • 精神科を受診することを優しく説得する
  • 精神科に相談する
  • 地方公共団体に相談する

それぞれ順番に解説します。

精神科を受診することを優しく説得する

患者様に説得する際、大切なのは優しく説得することです。

穏やかで優しい雰囲気は、患者様のこころの安定につながります。

強い言い方をしてしまうと、統合失調症の場合、パニックを引き起こしたり、被害妄想を起こしたりしてしまうケースがあります。

その結果、信頼を失ってしまい、より精神科を受診させることが困難になりかねません。

まずは、ご家族や周りの方が味方であることを十分に伝えつつ、じっくりと精神科の受診を促すことが大切です。

精神科に相談する

患者様を精神科に受診させることが困難である場合、まずはご家族や周りの方が、個人的に精神科に相談することも手段の一つです。

精神科の医師が症状を判断し、適切なアプローチやアドバイスを行ってくれるでしょう。

場合によっては、強制的な入院を検討してくれることもあります。

精神科の入院と聞くと、怖いイメージを抱くこともありますが、普段の生活から離れることで、安心して療養に専念する環境に身を置けます。

結果的に、患者様が回復する近道と考えられるので、決して怖いことではありません。

精神科の入院生活については、下記の記事で詳しく解説をしています。精神科への入院も検討している方は、ぜひ一度ご覧の上、参考にしてください。

精神科に入院するとどんな感じの生活になる?治療法も併せて解説

地方公共団体に相談する

地方公共団体に設置されている保健所、保健センター、精神保険福祉センターでは、こころの健康や医療について相談することが可能です。

医師や精神福祉士など専門のスタッフが、電話相談、対面相談の両方に対応しているため、忙しい方でも電話で相談できます。

特に保健センターでは、保健師が家庭を訪問して対応を行ってくれるなど、適切な治療を受けられるように支援してくれるため、精神科にいけない場合は積極的に検討してみましょう。

また、統合失調症の治療期間が長くなると、患者様自身やご家族に生活や治療費の負担が大きくなります。

経済面の相談もできるため、支援金など助成制度の相談だけでもしてみましょう。

周りに統合失調症の方がいたら、受診を勧めましょう

統合失調症は、主な症状である幻覚や幻聴、妄想によって、妄想と現実の境目がわからなくなることにより、病識がないことが多いです。

また、認知能力の低下により、周りの言っていることが理解できず、受け入れられないことも珍しくありません。

統合失調症は、早く治療することで早く回復できる病気なので、ご家族や周りの方が優しく説得し、精神科に受診するように促しましょう。

それでも難しい場合は、ご家族や周りの方が各医療機関や精神科に相談することが大切です。

銀座の梅本ホームクリニックでは、統合失調症の患者様に対応した訪問診療を行っております。

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患者様の状況を伺い、医師から適切なアプローチやアドバイスをさせていただくなど、ご家族様のサポートもいたします。

また、医療費負担を軽減する自立支援医療制度にも対応しておりますので、お気軽にご相談ください。

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