精神疾患

思春期に起こりやすい心身症とは?症状や原因、対策法まで解説

思春期に起こりやすい心身症とは?症状や原因、対策法まで解説

思春期は子どもの身体が目覚ましい成長を遂げる一方、ストレスが過度にかかりやすい時期でもあります。

実は思春期の子どもには様々な精神疾患のリスクがあり、その中でも心身症は代表的な精神疾患として知られています。

本記事では、思春期に起こりやすい心身症の症状や、発症の原因について解説しています。

お子様の体調が慢性的に悪いと感じている親御様や、お子様がストレスを抱えているのではないかと不安に感じている方は、ぜひ参考にしてください。

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心身症とは

心身症とは、精神的ストレスによって身体的な症状が引き起こされる精神疾患のことです。

身体的には原因がないため、治療のためには、精神的なストレスを解消することが求められます。

心身症は、ストレスに対して無頓着な人に多く見られる傾向があります。

ストレスに対してあまり自覚的でない人は、知らず知らずの間にストレスを溜めてしまい、心身症という形で症状が出やすいのです。

特に思春期の子どもは心身のバランスを崩してしまいやすく、心身症にかかりやすいとされています。

なぜなら、思春期は身体が著しく成長する一方、心が身体的な成長に追いつかないといった状況が起こりがちになるからです。

成長過程でストレスを抱えやすい上に、思春期には進学や受験といった、ストレス要因となり得るイベントが非常に多いです。

このような要因が重なることによって、本人が自覚している以上にストレスを溜めてしまった結果、心身症を発症する子どもも少なくありません。

心身症の代表的な症状

心身症の代表的な症状として、下記の3つが挙げられます。

  • 過敏性腸症候群
  • 摂食障害
  • 起立性調節障害

それぞれ順番に解説します。

過敏性腸症候群

過敏性腸症候群とは、複数の症状を同時に伴うことを特徴とする胃腸機能障害のことです。

過敏性腸症候群を発症すると、主に下痢・腹痛・嘔吐などの症状が引き起こされます。

特にストレス環境下で症状が現れることが多く、慢性的なストレスを抱えている方が発症しやすい病気として知られています。

大腸はストレスの影響を受けやすい器官の一つであるため、ストレスによる症状が発症しやすいのです。

過敏性腸症候群の治療法については、まずはお腹の調子を整える薬を処方してもらい、症状を軽減させることを重視します。

心身症により過敏性腸症候群を発症している場合は、薬の服用とともにストレスの原因を取り除くことが重要となるため、ヒアリングなどを通じて簡単な心理療法を行うこともあります。

摂食障害

摂食障害は、食行動の重篤な障害を特徴とする精神疾患です。

摂食障害にかかると食欲不振から拒食症に発展したり、逆に過食になったりといった症状が現れます。

特に体型に気を使う、女性が発症しやすい病気でもあります。

中には身体が不健康に痩せているにも関わらず、食べることを拒否してしまう患者も見られ、そのまま栄養失調に発展するケースも少なくありません。

主にストレスが原因となって、拒食・過食が引き起こされることが多く、精神的な負担が直接的に身体的な負担を与える行動に繋がってしまうことから、決して無視できない精神疾患の一つと言えるでしょう。

起立性調節障害

起立性調節障害とは、自律神経系の異常により循環器系の調節に不調が現れる疾患のことです。

自律神経系が上手く働かないため、朝目覚めても交感神経が活性化しないことで血圧も上がらず、脳の血流が維持できなくなり、立ちくらみを起こしてしまいます。

起立性調節障害を発症することで、集中力の欠如や思考力の低下といった症状が見られることから、実生活に影響を与えてしまうことも多いです。

逆に夜に交感神経が優位となってしまい、不眠の症状に悩まされる子どももいます。

過度に生活習慣が変わってしまった場合や、立ちくらみなどの症状を頻繁に訴えている場合は、起立性調節障害を疑うべきと言えるでしょう。

心身症になりやすい方の特徴

前述の通り、心身症はストレスに対して無頓着な方に多く見られる傾向があります。

また、心身症のリスクが高い方は、うつ病や統合失調症などの重大な精神疾患を患ってしまうリスクも高いです。

特に統合失調症は症状が悪化すると、通常の社会生活を送ることが困難になってしまう、深刻な精神疾患の一つです。

その上、日本では100人に1人が発症するとされており、誰しもに可能性があると考えるべきでしょう。

子供の統合失調症には、様々な兆候があるため、その兆候をいち早く掴み、治療を行うことが非常に大切です。

下記の記事では、子供に統合失調症の可能性の有無をチェックするためのポイントをまとめています。気になる方は、ぜひこちらも併せてご覧ください。

子供が統合失調症かも?チェック方法と症状を詳しく解説します

思春期に心身症を発症しやすい理由

思春期に心身症を発症しやすい理由は、主に下記の2点が挙げられます。

  • 体と心のバランスが崩れる
  • 学業面などでストレスが溜まる

それぞれ順番に解説します。

体と心のバランスが崩れる

思春期は先述した通り、心身のバランスが崩れやすい時期です。

それに加えて学業面・人間関係などによってもストレスを感じやすいことから、心身症を引き起こしやすいと考えられます。

身体は大きく大人に近づき、周りからも大人として扱われ始める一方で、精神的な成長が追いついておらず、このギャップがストレスとなってしまうのです。

さらに、身体の成長が大きいことから、他人との違いが明確に分かり始めるのもこの時期です。

精神面が未熟な状態であるため、他人との違いを受け入れられなかったり、劣等感を感じたりすることによって、ストレスを抱えてしまうケースも多く見られます。

このように思春期は成長が著しいものの、精神的には未熟なことによって、ストレスを抱えやすく、心身症のリスクが高まってしまうのです。

学業面などでストレスが溜まりやすい

思春期に差し掛かると、受験などについても考える必要が出てくるため、学業面でのストレスもかかりやすいです。

身体と同様に、学力でも周りの仲間や友だちと大きく差が開き始めることで、ギャップを感じてしまうことも多いです。

その上、学校や両親から勉強するように強要されることがあれば、無能感を感じることでストレスに発展してしまうケースもあります。

その他にも、人間関係をはじめとする様々なストレス要因があるのが、思春期の特徴です。

思春期には、親御様がどのような精神的ストレスを抱えている可能性があるのかを理解しつつ、接してあげることが大切です。

思春期の子供が、精神的なストレスを感じる原因や、その対策については下記の記事で詳しく解説をしています。

知っておくことで、思春期のお子様に適切に接することが可能になるため、ぜひこちらも併せてご覧ください。

中学生が感じている精神的なストレスとは?解消法も併せて解説

心身症の進行を防ぐために家族がするべきこと

まずは心身症の症状に対して、理解を示してあげることが大切です。

本人が無意識のうちにストレスを溜めてしまっていることを、周りの人たちも認めてあげましょう。

特に思春期は、一見大したことがないように感じるものごとに対しても、強いストレスがかかってしまう傾向にあります。

大人からすると大したことがないイベントでも、お子様にとっては重大なイベントになり得るのです。そのことを理解した上で、接してあげることが大切です。

お子さんにとって家族や大人の存在が精神的な拠り所になれれば、本人が抱えているストレスも大幅に軽減されるでしょう。

またストレスの原因が分かっている場合は、その原因を取り除くことが治療の近道となります。

心身症の症状が悪化する前に、ストレスの原因を解消できるよう最大限サポートしてあげてください。

心身症かなと思ったら精神科に受診しましょう

心身症は誰もがかかりうる精神疾患です。

最初は大した症状ではなくても、悪化することで様々な精神疾患・身体的な疾患を招きかねません。

そのため、「たかがストレス」と考えるのではなく、積極的に早期治療を行なっていくことが大切です。

身体は健康なはずなのに、なぜか体調が悪いと感じる時は精神科の受診も検討しましょう。

銀座の心療内科梅本ホームクリニックは、心身症の疑いがある方の診察や治療を行うことが可能です。

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