精神科の主治医が嫌いなときはどうしたらよい?良い先生の見分け方も紹介
継続的に精神科を受診しているものの、主治医との相性が悪かったり、嫌いに感じたりして悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
主治医が嫌いになってしまうと、診察を受けることが億劫になってしまう上に、それによって治療が遅れてしまう可能性があります。
精神科の主治医が嫌いだと感じながら診察を受けても、主治医とコミュニケーションを形成することは困難です。
主治医とのコミュニケーションを重ね、些細なことでも相談できる関係性を築かなければ、精神疾患の早期回復は見込めません。
本記事では、精神科の主治医が嫌いだと感じたときの対処法や、良い精神科医の特徴について解説します。
現在進行形で精神科の主治医が嫌いだと感じている場合や、これからの精神科に通おうとしている方は、ぜひ参考にしてください。
精神科における主治医の役割
精神科における主治医は、主に精神疾患の診断と治療を行います。
対象疾患は、統合失調症・うつ病・認知症などの精神疾患や、精神疾患が見られない場合であったとしても、予防やケアの観点から治療に携わることも少なくありません。
精神科の医師は、紹介状や問診票から患者様の状況を把握し、次に会話や振る舞いから患者様の調子や情報を汲み取ります。
そして、心理検査などから病名を診断後、薬物療法・精神療法・作業療法といった治療方針を決定するのです。
精神科では、カウンセリングや面談が治療の中心になることが多く、そのコミュニケーションの相手が主治医であるケースが多いです。そのため、主治医と患者様の関係性は良好であるとともに、互いに信頼できる関係性でなければ、効率の良い治療を行うことは困難でしょう。
精神科の主治医の役割は治療において非常に多く、患者様との関係性構築が非常に大切です。
精神科の主治医が嫌いと感じた際にするべきこと
精神科の主治医が嫌いだと感じた際にするべきことは、下記の3つです。
- 主治医の変更を申し出る
- 病院を変更する
- 通院曜日を変更する
それぞれ詳しく解説します。
主治医の変更を申し出る
大規模な病院の場合、精神科の医師は複数人いるため、その中で主治医を変更してもらえるように医師に直接申し出ることで、主治医の変更をしてもらえるでしょう。
伝えにくいと感じる方も多いかと思われますが、相性の問題から、主治医の変更を申し出る患者様は少なくありません。
相性が悪い状態で治療を行ったとしても、患者様の効率の良い治療に繋がらないため、速やかに対応してもらえることが多いです。精神科の医師は、患者様との相性が非常に重要であることを理解しているため、快く対応してもらえるでしょう。
どうしても伝えにくい場合は、看護師さんなどに間接的に伝えるという方法もあります。
主治医の変更を申し出ることに対して、気まずさを感じることはないため、相性が悪いと感じたら申し出るようにしましょう。
病院を変更する
主治医が変更後に継続してその病院へ通い続けることに対して、患者様自身が気まずく感じる場合や、病院全体の対応に不満を感じる場合は病院の変更を検討しましょう。
病院を変更することで、必然的に主治医が変わると同時に、環境が変わるため気分的に再スタートを切りやすいケースがあります。
しかし、新しい主治医に症状を一から説明し、これまでに受けた検査・治療内容を正確に伝えなければなりません。
これは、患者様にとって困難であり、非常に負担が大きいです。
病院を変更したいものの、自ら治療状況の説明をするのが困難な場合は、今の主治医に紹介状を作成してもらった上で病院の変更を行いましょう。
病院を変更する理由について、相性の悪さを正直に伝える必要はなく、引越しなどの理由をつければ紹介状の対応をしてもらえます。
通院曜日を変更する
通院曜日を変更することで、担当医師を変更することも可能です。
立地条件や診察時間、治療状況を新たな医師に説明する煩雑さから、病院自体を変更したくない場合もあるかもしれません。このような場合は通院曜日を変更することで、主治医の変更を行えるケースがあります。
大病院などでは、曜日によって外来担当医師が異なるため、通院曜日を変更することで必然的に主治医を変更できるのです。
病院のカルテを通じて、自動的に情報が共有されることから、こちらから治療過程などについて伝える必要がないため、安心して通い続けることが可能です。
精神科における良い主治医の特徴
一般的に精神科における良い主治医の特徴としては、下記の4つが挙げられます。
- 何を伝えるべきかが分かりやすい
- 今後の方針を明確に示してくれる
- 患者あるいはそのご家族の話に傾聴してくれる
- 薬の効果や副作用について話してくれる
それぞれ詳しく解説します。
何を伝えるべきかが分かりやすい
正確な治療を行うためには、主治医が知りたい情報を適切に伝える必要があります。その一方で、主治医が把握したい情報と、質問に対する患者様の答えに齟齬があることが多くあります。
これでは、適切な治療方針を立てることは困難でしょう。
患者様が何を伝えるべきか分かりやすく質問し、得たい情報を引き出してくれるような医師であれば、適切な治療を行いやすくなります。
そのため、何を伝えるべきかが分かりやすい質問をしてくれる医師は、良い主治医として取らえられるでしょう。
今後の方針を明確に示してくれる
精神科領域の治療に絶対的な指針はないため、精神科医によって治療方針に若干の差が出てきます。
あなた自身が、主治医の診断結果や治療方針に納得できれば、診断名にとらわれて不安になることもなく、スムーズに治療を行えます。
治療をスムーズに行うためにも、今後の方針を明確に示してくれる医師は良い医師と言えるでしょう。
患者あるいはそのご家族の話に傾聴してくれる
尊厳を持つ1人の人間として患者様に接し、傾聴することが治療には大切です。
主治医が緊張せずに話しやすい雰囲気を作ってくれることで、患者様は要望を伝えやすくなるはずです。
患者様の考えを尊重する姿勢が主治医にあると、患者様に安心感を与えるとともに、信頼関係を構築しやすくなるため、結果として治療もしやすくなります。
薬の効果や副作用について話してくれる
精神科で処方される薬のほとんどは、効果が強く、副作用も大きいため、主治医が薬の効果や副作用について説明することは重要です。
特に、下記のポイントについて説明をしてもらう必要があります。
- どの症状に対して、どの程度効果があるのか
- 副作用はあるのか
- 副作用が出たら、どうしたらいいのか
- いつまで薬を服用しないといけないのか
- 薬に頼らない治療方法はないのか
主治医の説明で上記の中で欠けている部分がある場合は、必ず質問して解決しましょう。これらの質問に対する答えが曖昧な場合は、主治医の変更を検討しても構いません。
なお、特に統合失調症では、副作用リスクの高い薬が処方される傾向があります。
下記の記事では、統合失調症で使用する薬剤について詳しく説明していますので、ご家族で統合失調症の患者様がいる方は、ぜひ参考にしてください。
精神科の主治医が嫌いな場合は、早めに主治医を変更しましょう
本記事では、精神科の主治医が嫌いに感じた場合の対処法や、良い主治医の特徴について解説しました。
精神科の治療は、外科などの治療とは異なり、一度の受診で治ることはありません。
主治医との会話を診察の中で繰り返すことで、症状が良くなるための糸口が見つかります。
主治医に苦手意識を持ち、嫌いになってしまっては、診察で些細なことも伝えにくくなってしまいます。
主治医と信頼関係を構築できなければ、回復へ遠回りしているようなものです。
精神科の主治医変更は、決して珍しいことではないため、精神科の主治医と相性が悪ければ早い段階での主治医変更をおすすめします。
なお、銀座の梅本ホームクリニックでは、患者様やご家族の意見を尊重しながら治療を行うことを心がけています。在宅医療に対応しているため、患者様やそのご家族と近い距離感で、密なコミュニケーションを取りながら治療を進めることが可能です。
お電話にて無料でご相談いただけますので、気になる方はぜひ気軽にご相談ください。