精神疾患

精神科に入院するとどんな感じの生活になる?治療法も併せて解説

精神科に入院するとどんな感じの生活になる?治療法も併せて解説

心の病気を治療するために精神科への入院を検討していても、どのような生活になるのかを不安に思い、なかなか入院に踏み出せない方は珍しくありません。

なかには精神科と聞くと、「閉鎖病棟」や「厳しい生活指導」などを思い浮かべて恐怖を感じる方もいることでしょう。

しかし、精神科への入院は決して怖いことではありません。むしろ、症状が悪化する前に入院して集中的な治療を受ければ早期回復が目指せるため、賢明な判断だといえます。

それでは、精神科に入院するとどのような治療法が行われるのでしょうか。この記事では、精神科病棟での治療法や病院での生活について解説します。

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精神科に入院した際の治療方法について

心の病気で精神科に入院するときは、おもに「生活指導」「作業療法」「面談・傾聴療法」の3つの治療を行うことになります。まずは、それぞれの治療内容についてみてみましょう。

生活指導

生活指導は、規則正しい生活を送ることで、生活のリズムを整える治療法です。精神的な病気を患っている方は、昼夜逆転したり部屋に閉じこもったりと、生活リズムが乱れがちです。

生活リズムの乱れは食欲不振や不眠症、気分の落ち込みなどの原因となるため、心身の不調を引き起こします。

病院での入院生活では、3度の食事や歯磨き、入浴など、精神疾患によって失いがちな基本的な習慣を取り戻すサポートをします。

正しい生活リズムを目指す病院での生活のすべてが、精神病の患者にとっては治療になるのです。

作業療法

作業療法とは、作業を通して治療を行ったり、さまざまな活動に参加できるように援助したりする治療法のことです。

たとえば、絵画や陶芸、スポーツ、季節のレクリエーションなどが作業療法のプログラムとして挙げられます。

精神科病棟では、運動などを行うなかで身体の健康を保ちつつ、ストレスを発散しながら治療を進めます。

作業を複数人で行うことで、コミュニケーション能力を戻すとともに、作業に集中することによる認知機能の回復を目指すことも可能です。

何かに集中して取り組むことで達成感や成功体験が得られれば、精神病患者にとって大切な自信や自己肯定感を得られるというメリットもあります。

面談・傾聴療法

面談・傾聴療法は、医師や看護師、カウンセラーが話を聞くことで、患者様の不安を低減やストレスの低下を図る治療法です。

患者様の話をただ聞くだけではなく、共感したり極端な考え方を正したりすることで、心の負担を取り除きつつ日常生活で過度なストレスを感じにくい心構えを身につけます。

また、面談や傾聴療法では、ほかの治療法の効果が出ているかどうかについても確認します。

精神科に入院した際の1日の流れ

精神科に入院する際は、以下のような流れで1日を過ごすことになります。

◎午前

  • 7:00 起床
  • 7:20 朝食・服薬
  • 8:00 午前のリハビリ
  • 10:00 朝の集会(体操・グループ活動)・入浴
  • 11:30 昼食・服薬

◎午後

  • 13:00 グループ活動・自由時間
  • 14:00 回診・面談
  • 15:00 おやつ
  • 15:30 自由時間・入浴
  • 18:00 夕食・服薬
  • 19:00 自由時間
  • 21:00 消灯

先述したように、精神科に入院するときは、病棟での生活全体が治療につながります。

グループ活動を通して生活リズムを整えたり、自由時間で趣味に没頭してストレスを解消したりすることで、少しずつ心身の健康を取り戻すのです。

なお、ご紹介した時間やプログラムはあくまで一例です。

病院によって1日の過ごし方やスケジュールは大きく異なるので、入院前に詳しいスケジュールを確認しておくと安心でしょう。

精神科の入院に関するよくある質問

精神科に入院することを検討している方は、治療法や1日の過ごし方以外にも多くの疑問を抱いていることでしょう。

最後に、精神科病棟に入院する方がよく抱く疑問についてお答えします。

スマホが禁止されるって本当?

スマホが禁止されるかどうかは、精神疾患の程度によるため一概に言えません。

病棟全体でスマホの使用を禁止している病院は少ないですが、病状によってはスマホの持ち込みおよび使用が禁止されるケースがあります。

スマホが使用できる病院でも、「病室への持ち込みはできない」「医師が許可した場合のみ使用できる」「午後の自由時間のみ使える」など、ルールが設定されているケースが多いです。

スマホの使用が病状の悪化につながる方もいるため、どこまでスマホ使用を許可できるのかについては慎重に見極める必要があります。

どのような状態になると入院対象になる?

入院対象となるのは、外来での治療が困難であると感じられた患者様です。たとえば、以下のような状態の場合は、入院対象となります。

  • 自力で食事や水分がとれない
  • 病気であるという自覚がなく、治療に協力的でない
  • 自殺のリスクが高い
  • 興奮や混乱によって問題行動を起こす
  • 事情があって自宅で療養できない

なお精神科への入院形態には、以下の2種類があります。

◎自らの意思に基づいて入院する「自発的入院」

  • 任意入院:患者様本人の希望によって入院・退院できる入院形態

◎患者様の意思に反した「非自発的入院」

  • 医療保護入院:ご家族もしくは市町村長の同意による入院
  • 応急入院:ご家族の同意がない場合に行われる、72時間以内の入院
  • 措置入院:自害他害のリスクが高い患者様に対する、都道府県知事の権限による入院

自発的入院の場合は病棟の出入りが自由にできる「開放病棟」に、非自発的入院の場合は患者様が自由に出入りできない「閉鎖病棟」に入院となることがほとんどです。

閉鎖病棟ではスマホの使用はもちろん、生活に関しても制限されることが多くなります。

もしもご家族に入院が必要な方がいる場合は、非自発的入院で治療を行うことも可能です。詳しくはこちらの記事をご覧ください。

家族を精神科に入院させたい場合はどうすれば良い?

疾患の程度によっては、入院ではなく在宅医療も可能です

心の病によって日常生活がままならない場合は、精神科病棟に入院して集中的な治療を受けることもひとつの手です。

精神科では、規則正しい生活を送りながら作業療法を受けたり医師や看護師に話を聞いてもらったりする治療を通し、心と体の回復を目指します。

精神科に入院すると聞くと、不安を抱く方が多いかもしれませんが、入院は決して怖いものではありません。むしろ、心の病を放置することによって症状が悪化することのほうが大きなリスクとなります。

それでも精神科病棟への入院に抵抗がある場合は、安心して過ごせる自宅で治療を受けられる在宅医療がおすすめです。

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