中学生に多い精神疾患とは?原因や初期症状・種類も解説
中学生は心身ともに成長が目覚ましく、精神的なバランスが崩れやすいと言われています。
その上、人間関係がより複雑になることによるストレスなどが原因で、精神疾患を起こしてしまう中学生は少なくありません。
本記事では、中学生や思春期の子どもに多い精神疾患や原因、初期症状について解説します。
精神疾患の治療法についても説明しているので、「子どもが精神疾患なのでは?」と不安に感じている親御様は、ぜひ最後までご覧ください。
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中学生の精神疾患の原因は?
中学生に発症する精神疾患の主な原因は、「遺伝によるもの」と「学校生活や人間関係によるストレス」の2つがあると考えられています。
両者について、それぞれ解説します。
遺伝によるもの
中学生の精神疾患の原因の1つとして、遺伝によるものがあると推測されています。
家族などの近親の中に、精神疾患を患った経験のある方や、実際に精神疾患になっている方がいる場合、そうでない方と比べて発症リスクが高まるとされています。
ただし、精神疾患の多くは正確な原因が分かっておらず、この説も医学的な証拠によって、確固たる確信が得られているというわけではありません。
そのため、神経質になりすぎることなく、事実ベースで捉えておくことを推奨します。
学校生活や人間関係によるストレス
もう1つの原因として考えられているのは、学校生活や人間関係によるストレスです。
中学生は身体の成長に心の成長がついていけないことが多く、心身のバランスが崩れやすい傾向にあります。
その上で、中学生は人間関係の複雑化や、受験などにも直面するため、精神的なストレスを抱えやすく、ストレスによって精神疾患を患いやすくなるのです。
中学生のお子様を持つ親御様の中には、「自分の子どもがストレスで悩んでいるのではないか」と気になる親御様も多いでしょう。
下記の記事では、中学生のストレスの有無を簡易的に確かめるためのチェックリストを紹介しています。
中学生に多い精神疾患の1つである、不安障害についても詳しく解説しているため、ぜひ併せて参考にしてください。
思春期に気をつけたい不安障害とは?代表的な症状や治療法【チェックリスト付き】
中学生の精神疾患の初期症状
中学生の精神疾患の初期症状として、「引きこもりがちになる」と「食欲不振や過食」の2つのパターンが多く見られます。
それぞれ順番に解説します。
引きこもりがちになる
学校でのストレスが過多になっている場合、引きこもりがちになったり、登校そのものを拒否したりする傾向にあります。
引きこもりや不登校は、うつ病などの初期症状としても発現しやすく、中学生の精神疾患全般の前兆であると考えておくと良いでしょう。
引きこもりや不登校を放置すると、より無気力や無関心が進み、長期間の治療を要することになる可能性もあります。
子どもが引きこもりがちになったときには、まずは子どもと対話を行い、精神的なストレスを減らすことから始めましょう。
対話を行う際は、お子様に対して否定的な意見を言うのではなく、現状を受け入れながら一緒に解決に向かう姿勢を伝えることが大切です。
食欲不振・過食になる
中学生の精神疾患の初期症状として、食欲不振や過食が見られることもあります。
食欲不振や過食は、体型を気にする女性に多く見られる精神疾患の初期症状であり、身体的な健康も脅かすため、早急に治療を行うことが大切です。
なお、食欲不振や拒食症になってしまった反動によって、過食症を引き起こすケースもあります。
どちらの場合であったとしても、身体的に大きな負荷をかけるとともに、より一層強い精神的なストレスを与えることになるため、食欲不振や過食が見られたら精神科の受診を検討しましょう。
ここまで紹介した症状のほかにも、中学生の精神疾患によって現れる症状は多くあります。
下記の記事では、本記事で紹介しきれないものも含めて、子どもの精神疾患の症状について解説しているため、ぜひ併せてご覧ください。
中学生に多い精神疾患
中学生に多い精神疾患として、下記の5つが挙げられます。
- うつ病
- 適応障害
- 強迫性障害
- 心身症
- 統合失調症
それぞれ順番に解説します。
うつ病
現代では小学生の10人に1人、中学生の10人に2人が抑うつ傾向にあるとされており、中学生を含む、子どものうつ病は決して珍しい病気ではありません。
成人の症状と同様に、脱力感や無気力といった症状が見られ、中学生の場合はイライラを伴うこともあります。
また、うつ病の症状が引き金となり、問題行動を起こしてしまうお子様も多く、他の精神疾患を併発するお子様も見られるため、可能な限り早期の治療が求められます。
適応障害
適応障害は、中学生に多く見られる精神疾患の1つです。
いじめなどのストレスが原因となって発症することが多く、不安感や抑うつの症状が発現します。
適応障害を放置してしまうと、認知機能の低下や不安障害、後述する強迫性障害などの精神疾患に発展する恐れがあります。
適応障害は、ストレスの原因が取り除かれてからも症状が継続することもあるため、精神科を受診した上で、適切な治療を受けることが大切です。
強迫性障害
強迫性障害とは、意味がないと分かっていても、同じことを繰り返してしまう精神疾患のことです。
強迫性障害の患者様の行動の例としては、手を何度も洗ったり、家の施錠の確認を繰り返したりするなどが挙げられます。
強迫性障害の患者様は、特定のストレスが原因となり、無意味なまでに同じ動作を繰り返してしまい、日常生活を送ることが困難になることもあるのです。
強迫性障害は几帳面な性格の方や、真面目な性格の方の発症リスクが比較的高く、発症すると3分の1の確率でうつ病を併発するとも言われています。
強迫性障害は、治療に多くの時間を要する精神疾患の1つであるため、疑いがある場合は、早期に精神科を受診することを推奨します。
心身症
心身症とは、身体には異常が無いにも関わらず、精神的なストレスが要因となって身体の不調を招く病気のことです。
症状としては、腹痛や頭痛、嘔吐などが発現することが多く、悪化すると気管支喘息や十二指腸潰瘍、過敏性腸症候群などに繋がってしまいます。
「ストレスによって腹痛がする」というのは、よく聞くため軽視しがちですが、症状が継続する場合は病院に診てもらうことが大切です。
心身症は、中学生に多く見られる精神疾患であり、症状の発現の仕方も実に多様です。
下記の記事では、中学生の世代にあてはまる、思春期における心身症の原因と症状、対策について解説しているので、併せて参考にしてください。
統合失調症
統合失調症とは、頭の中の考えや気持ちがまとまらなくなってしまうことで、認知機能の低下や意欲低下、妄想などを引き起こす精神疾患のことです。
初期症状は、意欲の低下や妄想などの軽いものであることが多いものの、重症化すると幻覚や幻聴、激しい妄想などの「陽性反応」が見られます。
陽性反応が見られると、治療に多くの時間がかかるうえに、社会的な生活を行うことが困難なケースもあるため、統合失調症は早期での発見と治療が大切です。
早期発見のためにも、自分の統合失調症リスクを事前に把握しておくことが大切です。
下記の記事では、統合失調症になりやすい人の特徴について解説しているので、ぜひ併せて参考にしてください。
中学生の精神疾患の治療法
中学生の精神疾患の治療法には、「精神療法」と「薬物療法」の2つがあります。
ここからは、それぞれの治療法について解説します。
精神療法
精神療法は対話や教示、訓練を行いながら認知機能の回復を図り、行動に変化をもたらす治療法です。
精神療法を行うには、親御様の協力が必要不可欠です。精神療法は通院時のみに行うものではなく、日常に取り入れることでより精神疾患の改善に繋がります。
医師の指導の下、日常生活からお子様との対話を行い、お子様と病気に対する理解を深めることが大切です。
薬物療法
薬物療法とは、病気に合わせて適切な薬を飲むことで、情緒を安定させる治療法です。
特に、幻覚や幻聴、妄想といった比較的強い症状を抑制するために、薬物療法は用いられます。
しかし、薬物のみで精神疾患の治療が完結することはありません。薬に頼らない精神療法での治療も並行して行うことが、精神疾患の治療を行う上で大切です。
中学生で精神疾患の疑いがある場合は精神科を受診しましょう
本記事では、中学生の精神疾患の原因や初期症状を解説するとともに、多く見られる精神疾患や治療法についても解説しました。
現代において、中学生が精神疾患を発症することは珍しいことではありません。
「子どもが精神疾患かもしれない」と感じた場合は、速やかに精神科を受診することを推奨します。銀座の心療内科梅本ホームクリニックでは、中学生の精神疾患の診察を行っております。
自宅で診察や治療を受けられる在宅医療にも対応しておりますので、通院が困難な場合であっても、十分な治療を行えます。
少しでもお子様に精神疾患の不安がある方は、お気軽にお電話にてご相談ください。