中学生が感じている精神的なストレスとは?解消法も併せて解説
思春期は、子供から大人へ急成長を遂げるとともに、大きな環境が多いことから、非常にストレスを受けやすい時期です。
思春期の中でも、特に中学生は勉強や部活動の本格化・控える高校入試・将来への不安・人間関係の悩みなど、ストレス要因となるイベントが非常に多く見られます。
またこの時期は、自立心の芽生えから周囲の大人へ素直に助けを求めることが難しいという特徴もあります。
誰にも相談できずストレスを溜め込んだ結果、親や周囲の大人が気付かないうちにうつ病などの精神疾患にまで至るようなケースも少なくありません。
大人が思っているよりずっと、中学生の受ける精神的ストレスは深刻なものなのです。
本記事では、中学生の精神的なストレスの原因や解消法、ストレスが原因で発症する精神疾患などについて解説します。
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中学生に多い精神的なストレスとは
男女共通して感じやすい精神的ストレスの要因は、下記の通りです。
- 勉強に関するもの
- 部活動に関するもの
- 進学や将来への不安によるもの
- 人間関係に関するもの
どんなことをストレスに感じるかには、個人差があるため、上記の要因以外のことがストレス要因となることもあります。
大人が「そんなことで?」と感じてしまうような些細なことでも、この時期は敏感に感じ取ってストレスに繋がることも多いです。
また、ストレスに感じることがらは、性別によっても若干の違いが見られます。
ここからは、男女別で中学生が受けやすいストレスについて解説します。
中学生の男子が感じやすいストレス
中学生の男子が特に感じやすいストレスは、「理想と現実のギャップ」だとされています。
目標に向かって努力したい気持ちはあるのに、何を目標にしたら良いのか分からなかったり、目標と現実のギャップを感じたりすることによって、強いストレスを感じる傾向があります。
また自立心の影響もあり、「親や周囲の大人は自分のことを理解していない」という反抗的な思いを抱きがちです。
女子に比べて親に悩みを相談しない傾向もあり、悩みや不安を溜め込んだ結果、後述する精神疾患に発展してしまうケースも多く見られます。
中学生の女子が感じやすいストレス
中学生の女子が感じやすいストレスは、何よりも人間関係に関することだとされています。
元来、女性は周囲との関係性や協調性を重視する性質を持っていることから、人間関係に問題が生じると重く受け止めがちな傾向にあります。
協調性を重視するあまり、「周りの人に嫌われないようにしなければ」という強迫観念に近い思いを持つことも珍しくありません。
また、「自分は周囲にどう思われているか」という他者からの評価を必要以上に気にして、特に容姿に対するストレスを抱きがちなのもこの頃の女子の特徴です。
またこの時期は月経周期によるホルモンの変化に慣れていないこともあり、自分自身の感情の揺れに振り回されて精神的ストレスに繋がることもあります。
中学生の精神的ストレスによって引き起こされる病気
中学生の精神的ストレスによって、引き起こされる病気の代表例は、下記の通りです。
- うつ病
- 心身症
- 統合失調症
それぞれ順番に解説します。
うつ病
うつ病は気分障害の一つで、気分の落ち込みや、やる気の低下などの精神的な症状とともに、睡眠障害や食欲の低下といった身体的な症状が現れる精神疾患です。
悪化すると、学校に通えないほどの無気力に襲われるなど、日常生活に支障を生じる病気です。
うつ病の原因は未だによくわかっていませんが、脳の働きに不具合が生じることで発症するとされています。
その脳の不具合には、ストレスが大きく関与しているようです。
中学生の10人に2人が抑うつ傾向であるとされる研究データがあり、現在進行形で多くの中学生が悩んでいる精神疾患の一つと言えるでしょう。
なお、うつ病の代表的な症状は下記の通りです。
【精神的な症状】
- ゆううつな気分
- 無気力、やる気がわかない
- 興味や関心、意欲が低下する
- 集中力や決断力に欠ける
- 焦りを感じる
- 自分を責める
- 悲観的に考えがちになる
【身体的な症状】
- 眠れない、もしくは寝ても寝足りない
- 食欲がわかない、もしくは食べすぎる
- 過度な疲労感、身体のだるさ
- 頭痛やめまい など
うつ病を改善するためには、ストレスの原因を取り除くとともに、様々なアプローチから適切に治療を行うことが求められます。
上記のような症状が現れたら、早め精神科を受診して、症状の改善に努めましょう。
心身症
心身症とは、過度なストレスを受けた結果、身体に様々な不調を生じることをいいます。
極度に緊張することによって、腹痛や下痢、吐き気などの体調不良を引き起こした経験がある方は、多いのではないでしょうか。
心身症は、この不調の頻度の増加や、症状の重症化が見られる精神疾患です。
心身症の代表的な症状は、下記の通りです。
- 頭痛
- 腹痛
- 肩や手足の痛み
- 胃もたれや吐き気
- 身体のだるさ など
心身症は、単なる一過性の体調不良と考えて、放置する方は多く見られます。
しかし、心身症を放置することで過敏性腸症候群や、アトピー性皮膚炎、摂食障害などを引き起こす可能性があるため、早い段階で治療をすることが大切です。
なお、特に心身症は思春期の方に多く見られます。詳しくは下記の記事で解説しているため、併せてご覧ください。
統合失調症
統合失調症とは、考えや感情がまとまりづらくなる精神の病気のことです。
はっきりとした原因は判明していないものの、発症にはストレスが深く関係しているとされています。
統合失調症は、非常に珍しく重い疾患のように思われがちですが、国内の統合失調症の患者は80万人にものぼり、100人に1人が発症する身近な病気です。
統合失調症の代表的な症状は、下記の通りです。
- 幻覚・妄想
- 思考障害(考えが支離滅裂になる)
- 感情鈍麻(感情表現が少なくなる)
- 自閉(他者とコミュニケーションが取れなくなる)
- 意欲・記憶力・集中力・判断力の低下 など
統合失調症は、なるべく早く治療を開始することで重症化を防ぎ、早期の症状改善が期待できます。
逆に放置すると症状はどんどん進行し、社会的な行動が困難になるケースが多くなります。
なお、下記の記事では統合失調症の疑いを判断するための、確認事項をまとめています。
我が子が失調症ではないかと不安に感じている方は、下記の記事も併せてご覧ください。
中学生の精神的なストレスチェック
中学生が、精神的なストレスを抱えていないかをチェックできる、簡単なチェックリストをご用意しました。
中学生のご本人はもちろん、お子さんの様子に不安がある親御さんもぜひチェックしてみてください。
No. | 質問 | ○/× |
1 | 「どうせ〜」「自分なんか〜」などの悲観的な言動が増えた | |
2 | やる気がない、またはいつも疲れている | |
3 | 朝起きれないことが多い | |
4 | イライラしたり、精神的に不安定なことが多い | |
5 | 身体のだるさ・吐き気・頭痛などの不調を感じることがよくある | |
6 | 食べる量が減った、または増えた | |
7 | 学校に行きたがらない | |
8 | 友達付き合いが減った | |
9 | 急に成績が落ちた | |
10 | 以前好きだったことや趣味に興味を示さなくなった |
3個以上当てはまるようなら、過度なストレスを抱えている可能性があります。
カウンセリングを受ける、精神科や心療内科に相談するなど対応を検討しましょう。
中学生が精神的なストレスを溜め込まないために
中学生は成長過程上、どうしてもストレスにさらされてしまうものです。
精神的なストレスを抱えないために、下記の3点を意識しましょう。
- 人と比べずに自分のペースで行動する
- 悩みを抱え込まない
- 適度に身体を動かす
それぞれ順番に解説します。
人と比べずに自分のペースで行動する
中学生のストレスの大きな原因の一つは、「人と比べること」にあります。
思春期は心身ともに大きく成長する時期だからこそ、他人との違いがより大きく見えてしまいやすいのです。
必要以上に周りと自分とを比べずに、あくまでも自分のペースが大切だと知ることが、ストレスの軽減に役立ちます。
ご家族をはじめとする周りの方は、「ありのままの自分で良い」「人と比べる必要はない」ということに気付けるような支援を行うことが大切です。
悩みを抱え込まない
中学生は、自立心から自然と親とのコミュニケーションが減り、情緒面の成長過程で友人関係も複雑になりやすい傾向があります。
そのため、悩みを相談できる相手がいない・誰に相談したらいいか分からないと悩む中学生も多く見られます。
ストレスを溜め込まない為には、誰かに悩みを打ち明けることがとても大切です。
お子様が悩みを抱え込まないためにも、親御様はいつでも相談できるような環境作りを行ってあげましょう。
また、相談を受けた場合は、さえぎらずに最後まで話を聞き、否定せずに味方だと伝えてあげることが大切です。
適度に身体を動かす
体を動かすことが、ストレスの軽減に多いに役立つことは、数々の研究で証明されています。
現代は勉強やスマホゲームの影響で、体を動かす機会が減少傾向にあり、精神疾患のお子様が増えている要因の一つとしても、考えられています。
また、身体的な健康や成長発達においても、運動は非常に重要です。
生活の中で定期的に、無理のない範囲で適度な運動を取り入れましょう。
中学生のお子様の精神的ストレスにお悩みの方は精神科も頼りましょう
本記事では、中学生が感じがちな精神的ストレスや、それによって引き起こされる精神疾患、ストレスの解消法について解説しました。
日々社会に揉まれるご両親からすると、中学生のお子さんのストレスは大したものではないと思われがちです。
しかし環境的にも大きなストレスがかかりやすく、かつ敏感にストレスを受けやすいこの時期は、本人ですら気づかないうちにどんどんストレスを蓄積し、結果精神疾患になってしまうことが珍しくありません。
中学生のお子さんがストレスに悩んでいたり、その傾向が見受けられたりする場合には、精神科を頼ることも手段の1つとして検討しましょう。
銀座の心療内科梅本ホームクリニックでは、中学生の精神疾患の患者様の診察も行っています。
もし通院が困難である場合であったとしても、在宅医療に対応しているので、安心して治療していただけます。
医療費負担を軽減する自立支援医療制度についてのご説明も行っておりますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
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