子供の精神疾患の症状とは?よくある症例や原因も交えて解説
子供の精神疾患の患者数は増加傾向にあり、決して珍しいものではありません。
子供の行動を観察していると、「もしかして精神疾患なのでは」と感じる症状を見た経験のある親御様も多いのではないでしょうか。
本記事では、子供の精神疾患における症状や、多く見られる精神疾患の種類について解説します。
精神疾患の子供に対する、適切な対処法も併せて解説するので、ぜひ参考にしてください。
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子供の精神疾患の初期症状
子供の精神疾患の初期症状として、下記のようなものが挙げられます。
- 食欲不振
- 睡眠障害
- 口数が減る
- 疲労感
- 行動抑止(不登校など)
身体的な不調がないにもかかわらず、上記のような症状が継続的に見られる場合は、精神疾患を引き起こしている可能性があると言えるでしょう。
これらの症状が見られた場合は、強引に矯正しようとするのではなく、まずは子供の話をよく聞いてあげることが大切です。
その後、詳しく後述する症状を改善するための取り組みを行うと良いでしょう。また、上記の症状に加えて幻覚・幻聴が起きている場合は、統合失調症である可能性も十分に考えられます。
統合失調症は精神疾患の中でも、問題行動を引き起こす可能性があり、特に早期治療が求められます。
幻覚・幻聴の症状がある場合は、すぐに精神科を受診しましょう。統合失調症については、詳しく下記の記事で解説しているため、併せて参考にしてください。
子供に発症しやすい精神疾患と症状
子供が発症しやすいとされている精神疾患は下記の通りです。
- うつ病
- 双極性障害
- 心身症
- チック症候群
- 統合失調症
それぞれ順番に解説します。
うつ病
うつ病は成人に多く見られる精神疾患であるものの、子供にも発症のリスクがある病気の1つです。
ある調査によれば、中学生の10人に2人が抑うつ傾向があるとされており、他人事として考えられないほどの割合です。
子供のうつ病でも成人と同様、表情が乏しくなったり、ものごとへの意欲が無くなったりといった症状が現れます。
また、場合によってはイライラ感の形で症状が出ることもあり、情緒が不安定になる傾向があります。
子供のうつ病を放置すると、後述する双極性障害になるリスクが高まるため、早期での治療開始が非常に重要です。
双極性障害
双極性障害とは、気分が高まった状態である、「躁状態」と気分が落ち込んだ「うつ状態」を繰り返す精神疾患のことです。
子供がいきなりよく話すようになったり、逆に話さなくなったりする症状が見られた際は注意しておきましょう。
双極性障害は、躁状態・うつ状態になっていないときは正常に見えるため、はっきりと見分けることは困難です。
ただし、双極性障害は放置すると症状が進行し、治療が困難になるため、疑いがある場合は早い段階で心療内科を受診しましょう。
心身症
心身症とは、身体的は不調がないにもかかわらず、ストレスによって身体に症状が現れる症状のことです。緊張のあまり頭痛や腹痛が起きるのも、心身症の一種と言えます。
慢性的な心身症になった場合、突発的な腹痛や嘔吐などが見られるほか。過敏性腸症候群や気管支ぜんそくを引き起こす可能性もあります。
心身症の疑いがある場合は、ストレスの原因を探るとともに改善を図ることが大切であるため、人間関係や生活環境を再度見直しましょう。
また、心身症は思春期に発症しやすい症状であり、正しい理解をすることが非常に大切です。
下記の記事にて、思春期の心身症について詳しく解説しているため、併せてご覧ください。
チック症候群
チック症候群とは、細かな動きを繰り返してしまう症状のことです。チック症候群には、運動性チックと音声チックがあります。
運動性チックでは、まばたきや顔をしかめるなどの動作が連続的に行われ、音声チックでは口で音を立てたり、相手の言葉を繰り返したりといった動作が行われます。
これらの動作は自身で制御できないため、適切な治療を行うことが大切です。
チック症候群と思われる症状がみられたら、小児科の診察や心理相談機関の面談を活用して、適切な対応を行いましょう。
統合失調症
統合失調症とは、思考のまとまりがなくなってしまい、これによって様々な症状が引き起こされる精神疾患のことです。
統合失調症を発症すると、意欲の低下や感情表現の喪失、幻覚・幻聴といった症状が現れます。これらの症状によって、人間関係の崩壊や問題行動に繋がることも多いため、早急な治療が必要です。
統合失調症は、早期治療を行うことで早い回復を見込めるため、疑わしい症状が見られたら精神科に相談しましょう。
なお、統合失調症の治し方については、下記の記事で詳しく解説をしているため、併せて参考にしてください。
子供が精神疾患を発症する原因
子供が精神疾患を発症する主な原因は下記の通りです。
- 生得的特性によるもの
- 学校や友人関係によるストレス
- 不慮の事故や災害によるストレス
それぞれ順番に解説します。
生得的特性について
生得的特性とは、子供が生まれながらにして持つ特性のことです。
生得的特性によって、精神疾患を発症しやすい子供や、精神疾患を発症した状態で育ってしまう子供もいます。
一部の精神疾患では、その疾患に関する遺伝的特性を引き継ぐことも見られます。
そのほかにも、生まれながらの特性ではないものの、胎児期から幼児期の間に病気や外傷による強いストレスを受けたことがあった場合など、発達過程のストレスが影響することもあるので注意しましょう。
学校や友人関係によるストレス
学校の先生や友人との関係が悪化することによって、強いストレスを感じ、そのストレスが精神疾患の原因となることがあります。
人間関係だけではなく、学校や塾の成績や、その他のプレッシャーによって精神疾患を患うこともあります。
特に、発達の観点から見ると、中学生〜高校生はこれらのプレッシャーによるストレスを感じやすいため、注意するべきです。
これらが原因で精神疾患を発症した場合は、まずは心を休ませることを第一に考えましょう。
不慮の事故や災害によるストレス
学校や友人関係といった、慢性的なストレスではなく、突発的な事故や災害によるストレスによって精神疾患を引き起こすこともあります。
突発的なストレスは、うつ病などの精神疾患を引き起こすリスクがあり、慢性的なストレスによるものと同様の症状が引き起こされます。
思い当たる事故や災害がある場合は、その旨を細やかに医師に伝えた上で、治療を行いましょう。
子供の精神疾患の症状を改善するためにやるべきこと
子供の精神疾患の原因の多くは、慢性的なストレスによるものです。
そのため、子供に対する理解を示してあげるとともに、ストレスを軽減するような接し方を心がけましょう。
精神疾患の疑いがある場合は、強制的に病院に連れて行くのではなく、まずは対話を試みて親御様が子供の味方であることを伝えましょう。
コミュニケーションを十分に取った上で、一緒に病院を受診し、協力しながら治療を行うことが大切です。
子供が精神疾患かなと思ったら迷わずに心療内科を受診しましょう
本記事では、子供が発症しやすい精神疾患や、それらの症状について解説しました。うつ病をはじめとした精神疾患は、成人だけではなく子供にも十分に発症のリスクがあります。
さらに、子供の精神疾患を放置してしまうと、社会性の欠如や人間関係の崩壊に繋がる恐れもあるため、子供とコミュニケーションを取った後に、病院を受診することが大切です。
銀座の梅本ホームクリニックでは、成人のみならず子供の精神疾患の治療も行っています。
子供の行動意欲が落ちており、病院に通院できない場合であっても、訪問医療の形で受診や治療を行うことが可能です。
通院が難しいと思われる場合も、お気軽にご相談ください。