ベンゾジアゼピン系の薬による脳へのダメージと対策
ベンゾジアゼピン系の薬は、睡眠薬として多く利用されています。その一方で、脳へのダメージがあることが分かっており、処方されたものの不安に感じている方は多いのではないでしょうか。
本記事では、ベンゾジアゼピン系の薬のメリットに触れつつ、脳へのダメージについて解説するとともに、脳へのダメージを軽減するために重要なことも紹介します。
ベンゾジアゼピン系の薬の服用を検討している方や、脳へのダメージを限りなく減らしたい方は、ぜひ参考にしてください。
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ベンゾジアゼピン系の薬のメリット
まずは、ベンゾジアゼピン系の薬のメリットについて解説します。
ベンゾジアゼピン系の薬のメリットは、下記の通りです。
- 効果に即効性がある
- 様々な症状に効果がある
それぞれ順番に解説します。
効果に即効性がある
ベンゾジアゼピン系の薬の最大のメリットは、効果に即効性があることです。
ベンゾジアゼピン系の薬の代表格として、睡眠薬が挙げられます。
非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬の場合は、継続的な服用によって少しずつ入眠しやすくなるものが多いのに対して、ベンゾジアゼピン系の場合は服用すると、すぐに入眠できます。
そのほかにも、興奮や不安の緩和に使われることもあり、非常に多くの用途で使用される薬の1つです。
どのような用途であったとしても、強い作用が服用後すぐに認められるため、強い症状を持つ患者様に多く服用されています。
様々な効果がある
先述したように、ベンゾジアゼピン系の代表的な薬は睡眠薬です。
ベンゾジアゼピン系の睡眠薬の中にも、服用後数時間で深い眠りに誘導する超短期型のものや、一晩に渡って効果が続く長期型など、実に様々な種類があります。
また、リラックス作用によって肩こりなどの改善や、緊張状態の緩和などの効果も期待できる点も、ベンゾジアゼピン系の薬の特徴です。
なお、ベンゾジアゼピン系睡眠薬の詳細については、下記の記事で解説しています。ぜひ併せてご覧ください。
ベンゾジアゼピン系睡眠薬とは?効果や副作用・具体的な薬名も解説
ベンゾジアゼピン系の薬による脳のダメージ
ベンゾジアゼピン系の薬を服用することで、脳へのダメージがあることが懸念されています。ベンゾジアゼピン系の薬による脳のダメージによって、起きる副作用は下記の通りです。
- 常用使用でも依存症を引き起こす
- 離脱症状が見られる
- 認知機能の低下が見られる
それぞれ順番に解説します。
認知機能の低下が見られる
ベンゾジアゼピン系の薬を服用することで、集中力の低下や記憶力の低下などの認知機能の低下が見られることが多くあります。
継続的な服用をした場合は、認知機能が大きく低下してしまい、認知機能障害に発展するケースもあります。
ベンゾジアゼピン系の薬の服用による認知機能の低下は、非常に懸念されているものの1つです。
ベンゾジアゼピン系の薬が原因で認知機能が低下している場合、減薬によって改善することが多いものの、身体の状態によっては減薬が困難であるケースもあります。
薬剤性の認知機能障害を患ってしまうと、家族との意思疎通が難しいまま、亡くなってしまう可能性もあるため、ベンゾジアゼピン系の薬を服用する際は、様子をこまめに観察することが大切です。
飲み続けると認知症になる薬はある?具体的な薬剤名や対策方法を紹介
常用使用でも依存症を引き起こす
ベンゾジアゼピン系の薬は、常用使用でも依存症を引き起こします。
つまり、医師や薬剤師からの処方に従い、適切に服用した際であったとしても、依存症を引き起こしてしまうということです。
依存症になってしまうと、薬の服用を止めることが困難になる上に、身体が薬に慣れてしまうことによって、効果を実感するためにより多くの薬が必要になってしまいます。
離脱症状が見られる
ベンゾジアゼピン系の薬は依存性があり、依存してしまうと薬を止めることが困難になります。
身体が薬に依存してしまうことによって、薬を止めた際に離脱症状が見られることが多くあります。
離脱症状とは、薬の服用を止めた際に、身体が薬がない状態を異常とみなして引き起こされる様々な症状のことです。
ベンゾジアゼピン系の薬では、主に下記のような離脱症状が見られます。
- 動悸
- 震え
- めまいや吐き気
- 情緒不安
依存症状が強かった場合は、この離脱症状も強く発現します。
強い離脱症状の場合は、錯乱や全身のけいれんなどが引き起こされ、命の危険にも繋がります。
そのため、薬の服用時だけではなく、薬を止める場合も必ず医師や薬剤師の指導のもと、適切に少しずつ量を減らすことが大切です。
ベンゾジアゼピン系の薬による脳のダメージを防ぐために
ベンゾジアゼピン系の薬による脳のダメージを防ぐためには、下記の4つに取り組むことが大切です。
- 薬に頼らない生活をすることを意識する
- 即効性の低い薬を使用する
- 眠れなくても気にしない
- 薬を止める時は慎重に行う
それぞれ順番に解説します。
薬に頼らない生活をすることを意識する
ベンゾジアゼピン系の薬の脳へのダメージを防ぐためには、薬に頼らない生活をすることが大切です。
そのため、薬を服用する前や、服用している間も下記のようなことに取り組み、自然入眠を目指しましょう。
- 入浴をゆっくり行う
- 朝は太陽を浴びて、決まった時間に起きる
- 適度な運動を行う
「眠れないなら薬を使えば良い」という思考に陥ると、薬による脳のダメージが大きくなり、それとともに副作用の発現や依存のリスクが大きくなります。
ベンゾジアゼピン系の薬を服用する前に、上記のようなことに取り組み、服用中も服用を止めることを前提で生活することが大切です。
即効性の低い薬を使用する
ベンゾジアゼピン系の薬に関わらず、脳へのダメージを軽減するためには、依存性や即効性の低い薬を服用することも手段の1つです。
なぜなら、ベンゾジアゼピン系の薬を代表とする即効性の高い薬は、より強い依存性や脳へのダメージを引き起こす可能性が高いからです。
依存性や即効性の低い薬は、即効性の高い薬のように、服用後すぐに入眠できることはないものの、長期的に睡眠生涯を改善できます。
その上、依存性や脳へのダメージのリスクが低いため、安心して利用できます。
ベンゾジアゼピン系の薬に頼る前に、本当に即効性のある薬が今必要かどうかを、医師や薬剤師と相談しましょう。
眠れなくても気にしない
睡眠障害を持っている方の中には、眠れないことを過剰に気にかけてしまう方が多く見られます。
その結果、「もっと早く寝なければならない」と思い、ベンゾジアゼピン系の即効性の高い睡眠薬に頼ってしまうのです。
このように、発想で薬を利用してしまうと、より薬への依存度を高めてしまうとともに、脳へのダメージも大きくなってしまいます。
眠れない場合も深く捉えすぎずに、スムーズに入眠できるようになるための生活習慣の改善から行いましょう。
また、どうしても入眠できず悩んでしまう場合は、最初から即効性の高い薬を使用するのではなく、即効性の低い薬の服用から開始することを推奨します。
薬を止める時は慎重に行う
ベンゾジアゼピン系の薬の服用を急に中断した場合、離脱症状が起きる危険性があります。
薬の急な中断は、脳へのダメージが非常に大きく、錯乱状態や認知機能の大きな低下を招くリスクがあります。
そのため、個人の判断でベンゾジアゼピン系の薬の服薬を停止してはいけません。
薬を止める場合は必ず医師や薬剤師に相談した上で、少しずつ減薬する形で、服薬を無くすことが大切です。
ベンゾジアゼピン系の薬は医師の指導のもと慎重に服用しましょう
本記事では、ベンゾジアゼピン系の薬のメリットに触れつつ、服用による脳へのダメージと副作用について解説しました。
ベンゾジアゼピン系の薬は、医師の指示に従って服用した場合でも、依存や脳へのダメージなどのデメリットが大きい薬の1つです。
そのため、薬に頼りっきりにならないことはもちろんのこと、医師との相談の上で、適切な生活習慣を身に着け、薬を使用せずとも入眠できる身体を作ることが大切です。
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